地震大国、日本。
世界中に衝撃が走った東日本大震災をはじめ、毎年どこかの地区で大規模な地震が発生します。
夢の国と言われるディズニーリゾート。しかし、ここも当然例外ではありません。3.11の際は、他の地区と同様に大きな揺れが襲い、当日パークにいた7万人もの人たちが恐怖を体験しました。
しかし、彼らは口を揃えて言うのです。「あの日のディズニーの対応は神だった」。
SNSなどでも、当時パークに遊びに来ていた人たちからはこんな風な投稿がなされています。
「ディズニーさん、神対応ありがとう」
世界的テーマパークであるディズニーの中でも、最先端の地震対策が練られているという東京ディズニーリゾートの、地震への対応と日頃の訓練に迫ってみましょう。
目次
地震に弱い立地…だからこそ油断はしない
「なにこれ…」3.11が発生して数日後、大好きなディズニーリゾートの駐車場が液状化現象でぐちゃぐちゃになっているのを私はニュースで見て、衝撃を受けたのを覚えています。
大々的に報道されていたように、ディズニーリゾートが存在している舞浜付近は、地盤が実は緩く、液状化の被害が各所で報告されています。さらに、海に近い立地なので、地震の規模によっては、津波が襲ってくる心配も…。
このように、東京ディズニーリゾートは、地震への不安が尽きない立地にあるというのが事実。
しかし、東日本大震災をはじめ、様々な地震に実際に襲われてはいるものの、深刻な被害が報告されていないのもまた事実。運営側の弛まぬ努力、決して油断しない姿勢を窺い知ることができます。
地震発生時の「神対応」の詳細
では、その噂の「神対応」の詳細を見ていきましょう。
あの日、不安な空気が世の中に漂う中、私自身もSNSを見て少し気分が明るくなったのを覚えています。
その一部を、下記に紹介させて下さい。
混乱を落ち着かせる呼びかけ
- 「ここは安全です。座ってそのまま地震がおさまるのをお待ちください、と言ってくれました」
- 「頭をまもってください、と咄嗟に呼びかけてくれました」
- 「建物は壊れません、走らないでくださいと、混乱で怪我人が出そうなパーク内を仕切っていました」
報告されているキャストの第一の対応は、このように「瞬間的に状況を判断」「とにかくゲストを落ち着かせる」の二点でした。
地震がおさまったら
- 「キャストさんが不安がる子供に、お土産用に売っているはずのダッフィーのクッキーをくれました」
- 「絶対に入れないと言われている従業員通路の一部を使って誘導してくれました」
その他、震災時のニュースで私が見たのは、大きめのぬいぐるみを防災頭巾として配ったというエピソードです。
通常時の常識は一旦忘れ、安全を最優先する姿勢が見られます。
このように、咄嗟の判断をキャスト一人ひとりがしているのが印象的です。
ぬいぐるみを頭巾にする、などは、緊急事態だとしても思いつかないよなあと思いました。
マニュアルのようにきちんと指示された対応はもちろんされているのですが、それはもはや最低限のことであり、キャスト一人ひとりの工夫やおもてなしを感じます。
想像以上!訓練はとにかく頻度がスゴかった
前述のように、SNSを見ていて私が感じたのは、「機械的対応」と「人間的対応」がミックスされていること。
これは、なかなか出来ないことだと思います。というのも、緊急時は多くの人が「機械的対応」は出来ても、人間らしく想像力を働かせることは難しいはずだからです。
彼らキャストが「人間的対応」が出来た理由は、ただ一つ、日頃の訓練にありました。
大規模災害は、数年に一度起こってしまうかどうか、という頻度のもの。しかし、そのいざという日に、少しでも被害を抑え、安全に帰宅してもらうための訓練が行われているというのです。
しかも、その訓練の頻度はなんと年間180回。震度6の大地震を想定して、パーク内の様々な場所で、二日に一回は行われているそうです。
日頃の訓練によってマニュアルが染み付いている状態だからこそ、咄嗟の判断も落ち着いてできるのでしょう。
そして、訓練が日常的になっているキャストは、きっと世の中の人の何十倍も「その日」について想像力を巡らせているはずです。
僕だったらこうしよう、私だったらこう言おう、のような意思を、一人ひとりが自然に持っているような気がします。
まとめ
さて、ディズニーの地震時の対応とその理由に迫ってきました。
- 意外に地震に弱い立地だからこそ、危機感を強く持って対策が練られている
- 地震当時からキャストの対応が「神対応」だとSNSでは話題に
- SNSの内容を見ていると、マニュアル通りの対応はもちろん、プラスアルファでキャストそれぞれが人間味のある対応をしていることがわかる。
- その「神対応」を可能にしているのが、地震訓練。想像を超える年間180回の訓練を経て「神対応」はうまれる。
地震の恐怖や不安は、側にいる人間の言葉や笑顔でふっと和らいだりするものです。
そんな温かさをくれる「神対応」なディズニーリゾート。深刻な現実が襲ってきても、パーク内の夢のような空気は生き続けるのだなと感じました。
その空気を守るための日々の努力。ディズニーが、もっともっと好きになったような気がしませんか。